髪の毛はずっと同じように生えて、徐々に細くなり抜け落ちて最終的には生えなくなるものだと思う方は多いでしょう。
実は一本一本の毛は休んで抜け落ち、また生えてというサイクルを繰り返しています。
局所的に見ると一部で生えて、一部で抜け落ちてということを繰り返し今の髪型を維持しているわけです。
人間の体を構成する細胞も同じで、今の自分と3ヶ月後の自分とではほとんど変わらないように思いますが、実は生まれて死んでということを繰り返しています。
AGAの原因を理解するにはこのサイクル「毛周期」について学ぶ必要があります。
今回もできるだけわかりやすく説明していきます!
毛は「成長」と「休息」のサイクルを繰り返す。
髪の毛は、生えたら一生生え続けるものではありません。
髪は「成長期」「退行期」「休止期」という3つのサイクルを繰り返しています。
一本の毛がある程度成長したら徐々に柔らかくなったり細くなりして、次の毛が新しく生えてくると言うサイクルを繰り返しているのです。
この3サイクルを理解する前に「毛が生えるメカニズム」を説明します。
毛はどのように生えるか?
毛はどのように生えるのでしょうか?
それは毛根にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで、髪の毛が伸びていくのです。
成長期ではこの毛母細胞が積極的に分裂して、退行期になるとこの分裂が停止します。
そして細胞が徐々に死んでいき髪の毛が細くなり抜け落ちていきます。
毛母細胞も分裂するためには栄養が必要ですよね?
そこで毛乳頭細胞が、毛母細胞に栄養や指示を出しています。
そして「毛乳頭細胞」には毛細血管から栄養が運ばれます。
このように毛母細胞が細胞分裂して増えることで、髪は成長してきます。
そして毛周期は6年程度のサイクルを繰り返して、成長期・退行期・休止期を経ていきます。
毛周期
・成長期:2~6年
・退行期:2〜3週
・休止期:3ヶ月
頭髪の伸長速度は1日あたり0.4~0.5mmで、成長期の長さにより毛の長さが決まり、毛乳頭の直径が毛の太さに比例しています。
髪の成長期
成長期では毛母細胞が積極的に細胞分裂を起こすことで髪の毛が伸びていきます。
人の頭髪の場合、約85~95%が成長期に当たります。
一定の長さまで髪の毛が伸びると、毛母細胞は細胞分裂をやめて徐々に細胞が死滅していきます。
ここから髪の毛は退行期に移行していきます。
髪の退行期
退行期では徐々に髪の毛が細くなり、押し出されるように毛の根本が外側に押し出されていきます。
人の頭髪の場合、約1%が退行期に当たります。
髪の休止期
休止期に入ると細胞分裂が止まり、髪の毛が短く細くなっていきます。
髪の毛が短くなり外に押し出され毛母細胞が「毛隆起」という部分まで近づくと、この「毛隆起」にある毛を作り出す細胞を活性化させます。
その結果再度毛が生えてきて「二次毛芽」という次の毛包が生えてくるわけです。
次の毛が生えてくる段階で古い毛髪が押し出されるように抜けていきます。
このようなサイクルを繰り返して、毛は生えたり、抜けたりを繰り返しているのです。
人の頭髪の場合、約10%が休止期に当たります。
毛周期があるのに全部毛がなくならない理由
このように毛の生え変わりには周期があります。
すると
と疑問が湧くかもしれません。
常に髪の毛が一定の量を保っているのには理由があり間sう。
それは1つの毛穴からは2~3個の毛が生えており、それぞれは別の毛周期を回っているからです。
つまりある毛母細胞が休んでいるときは、他の毛が成長期にあるなどタイミングをずらすことで毛量を維持しているわけです。
毛周期は止まるのか?
このように毛は生えて抜けてを繰り返していきます。
AGAの進行では、この毛周期のサイクルが早くなるのです。
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通常成長期は2〜6年ありますが、毛周期のサイクルが短くなることで成長期の期間も少なくなりAGAが進行していきます。
たとえばAGAではこの成長期が数ヶ月〜1年と短縮していくんです。
すると毛が抜けやすくなるため、一部ではまったく毛が生えないように見えてしまいます。
このように毛周期は止まるわけではなくて、サイクルがものすごく早くなり、十分な毛が生えてこない状態だと言えます。